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はじめに
どうも、日々々々(ひよ)です。10年程「小説家になろう」の作品を読み続けてきた僕が、本当に面白いと思っている完結済みの作品を紹介します。
皆さんの中には、小説家になろうと言えば
- 適当な理由で異世界に転生する
- チート能力を貰ってハーレムを作る
- 結局ストーリー構成はテンプレでどれも同じ
・・・と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
そんなことはありません。異世界転生チーレム俺TUEEE系じゃなくても、面白い作品はいっぱいあります。(勿論異世界転生にも面白い作品はありますが)
昔からのサイトですし小説投稿サイトとしての知名度も高く、母数が多いので、現代ラブコメやSF、ミステリなど様々な面白い作品が投稿されています。
でも、ランキング上位にそういった作品は中々上がって来ませんので、面白い作品の多くが埋もれてしまっています。
そんな作品を少しでも皆さんに知って貰えたら嬉しいかな、と思います。
というわけで、今回は完結済みでも厳選した、本当に面白く、かつ異世界転生じゃない作品を7つ紹介しますが、連載中の作品でも面白いのはいっぱいありますので、それはまた別の機会で紹介させて下さい。
あと、他のレビューサイトだとオススメ度が点数表示されていたりしますが、全部オススメなのでそういった評価はしません。
・インスタント・メサイア
愛してやるから、覚えていろ。
あらすじ:
魔族と呼ばれる怪物たちに、生まれ育った村を滅ぼされた男がいた。
ホールズと呼ばれるその大陸で、人類は、徐々に力を増していく魔族の勢力に生息圏を奪われはじめていた。
そのような中、彼は奴隷商に引き取られて生きてきた。
村の唯一の生き残り『ナイン』が、恨みなどもう忘れたのだと。
そんな風に見せかけて、底抜けの憎悪と愛情を世界に叩きつけるお話。
自分の大事な者を全て奪った魔族の下僕となり、彼女たちを命懸けの愛情と狂気で侵食する物語。
作者:田山 翔太
小説ページ:インスタント・メサイア
異色のダークファンタジー。
主人公はちょっと変な存在こそ宿って(?)いますが、基本的には何の力も持たない一般人。対して魔族は一般人であれば容易く屠れてしまう。そういった力関係で、村を滅ぼされた主人公が魔族に復讐する為に、魔族を愛していく。
世に誰かに復讐する話は多いですが、この作品は復讐の仕方が愛すること、というのが特徴的です。
「知性のある生き物は、好意を向けられる快楽からは逃れられない」
とてもセンスを感じる文章ですね?
主人公が最初っから精神ぶっ壊れているので、文中から強烈な狂気を感じさせますが、それでいて続きを読みたくなる、そんな引き込まれていく作品です。
・ユニエの森の物語
――ばかに、するなっ!
あらすじ:
ユニエの森にひっそりとたたずむ教会。そこには戦争孤児である6人の少年少女たちが住んでいた。最年長であるシャーロを中心に、慎ましくも幸せに暮らしていたが、雪どけが近づいたある日の夜、リーザはシャーロに「この家を出て行ってもらう」と告げられた。
作者:加茂セイ
小説ページ:ユニエの森の物語
迷宮道先案内人(ダンジョン・シェルパ) の方が有名だとは思いますが、完結済みということでこちら。
身寄りのない6人の孤児が、それぞれ頑張って自立していく話です。近くの村の人間は主人公たちを妨害してきて、それでも挫けずに頑張っていくことで周囲の人の印象も変わってきて・・・と、そんな感じのお話。
23万文字程度でサクっと読めて(?)、とても纏まっているのでちょっと時間が空いた時にオススメ。
・魔法少女を助けたい
お前は間違った!
あらすじ:
主人公は化物に襲われ、
魔法少女に命を救われる。
魔法少女の実在を知り、化物の自主警戒を開始する。
主人公に義務はなかったが、それでも監視を続けた。
そして、ある夜。
美味そうにツバを飲み込み魔法少女を眺める黒幕が現れる。
化物をワザと倒させ、レベルの上がった魔法少女を狩ると黒幕は語る。
経験値は心臓が止まるだけで取得可。だから少女は何度も殺される。
レベリングに退屈したなら、少女の体を壊して楽しむもよし。
太ったガチョウの肝の味を思い浮かべるように、魔法少女の結末を語る黒幕に恐怖した。
何故、魔法少女を助けるのか。
これがあらすじである。
作者:クンスト
小説ページ:魔法少女を助けたい
昨今では流行も過ぎたように思われますが、魔法少女とは何か?という疑問に「こういう形もある」と示すような作品。
この作品の魔法少女は、異世界の魔物が現代に来て、魔法少女に雑魚の魔物を倒させ、魔法少女を殺すことでレベルを上げる為に存在しています。
・・・何それ?
またこれだけだと一発ネタにも思えますけど、この作品の真の魅力は力を持たない一般人が強大な力を持つ異世界の魔物を倒すということ。
主人公自身も多少レベリングしてスキルなどは手に入れるんですが、敵とのレベル差が半端なくて全然無理でしょって感じなんですよね。なのに知恵で何とかする。ラスボスとか「討伐不能王」ですし、能力もパっと聞いたら「マジでどうやって倒すんだよそんなの・・・」ってなる。(ネタバレになるので詳しくは言えませんが)
若干ミステリチック、ダーク寄りの作品ですが普通の現代異能バトルモノとは一味違った完成度、構成力。また続き作品の誰も俺を助けてくれないも完結していて、両方オススメです。
・平和の守護者(創世のエブリオット・シード)
「人間を舐めるなよ、化け物」
あらすじ:
時は2010年。
第二次世界大戦末期に現れた『ES能力者』により、“本来”の歴史から大きく道を外れた世界。“本来”の世界から、異なる世界に変わってしまった世界。
人でありながら、人ならざる者とも呼ばれる『ES能力者』は、徐々にその数を増やしつつあった。世界各国で『ES能力者』の発掘、育成、保有が行われ、軍事バランスを大きく変動させていく。
そんな中、『空を飛びたい』と願う以外は普通の、一人の少年がいた。
だが、中学校生活も終わりに差し掛かった頃、国民の義務である『ES適性検査』を受けたことで“普通”の道から外れることとなる。
夢を追いかけ、様々な人々と出会い、時には笑い、時には争う。
これは、“本来”は普通の世界で普通の人生を歩むはずだった少年――河原崎博孝の、普通ではなくなってしまった世界での道を歩む物語。
作者:池崎数也
小説ページ:平和の守護者(創世のエブリオット・シード)
超王道の異能バトルモノ。少々長いですけど、最後まで読み切った後の感動、読後感が本当に素晴らしい。
主人公は空を飛びたいだけの普通の人だったのが、異能があることが発覚して異能教育の専門学校に入学し、同じ立場のクラスメイトと共に訓練に励む。次第に任務や演習に出て行く中で、敵との戦闘や仲間とのすれ違いなどもあり――といった所は、異能モノとしてはテンプレートで、正直序盤は少し冗長でもあります。
しかし、その後が本当に面白い。
これまでに描かれた人々全てが活躍し、最後の戦いへ向かっていくシーンは寝る間も惜しんで読み進めたくなる程の”熱さ”があります。
また連載期間で換算して2年越しに回収される伏線は、物語中に常にあった疑問を綺麗に解決し、同時に驚愕させます。
とにかく読んで欲しい、そんな作品です。
ちなみに冒頭の台詞は実は主人公の台詞ではないですが、この作品は登場キャラが本当に魅力的で、それぞれにそれぞれらしく活躍します。本当に見事な文章力。
・鬼人幻燈抄
『あなたが、いつ帰ってきても。あの頃と変わらない想いを抱けるように』

あらすじ:
『人よ、何故刀を振るう』
江戸時代、まだ怪異が現代より身近で鬼が跋扈していた頃のこと。
江戸より百三十里ほど離れた山間の集落“葛野”にはいつきひめと呼ばれる巫女がいた。
護衛役である甚太はいつきひめの為に刀を振るうが、何一つ守れず全てを失う。
巫女を、惚れた女を殺したのは大切な妹。
彼女は百七十年後、全てを滅ぼす鬼神となって再び現世に姿を現すという。
憎しみから鬼となった甚太は、何を斬るべきか定まらぬまま、遥か遠い未来を目指す。
鬼に成れど人の心は捨て切れず。
江戸、明治、大正、昭和、平成。
途方もない時間を旅する、人と鬼の間で揺れる鬼人の物語。
作者:モトオ
小説ページ:鬼人幻燈抄
江戸から現代へ、時代が進んでいく中で変わっていくもの、変わらないもの。温かく苦しい現代ファンタジーです。
短編連作の形式で、時々現代描写が挟まってくるので最初は少し戸惑うと思いますが、次第に引き込まれていくでしょう。一つ一つのエピソードが心を打ち、温かい気持ちになれます。
基本的にはあらすじのあるように、江戸の頃に大切な人を妹に殺された主人公が、百七十年後に復活する鬼神を斬る為に長きを生きる話です。その百七十年の間で江戸が終わり、明治、大正、昭和、平成――と続いていく中で、主人公は様々な人に出会い、そして別れていきます。
百七十年を生きる、老いることのない主人公と、ただの人間でしかない人々の交流――そこには感動もあれば、恨みつらみもあります。
そうした交流の末、百七十年後に主人公がどんな結論を出すのか。
是非一度読んで頂きたい作品です。
・ハルジオン~口だけ野郎一代記~
『……後一時間もしないうちに世界の命運を賭けた戦い始まるってのに何してんのこの人達?』
あらすじ:
春風紫苑は己を愛している。否、己しか愛していない。
己を良く見せることにだけ全霊を注ぎ、全力で口車を回している。
その結果として僕っ娘メンヘラやメンヘラロリに目をつけられるのだが、口車は止らない。
これは自業自得の物語である――――そこには一切同情すべき点は無い。
膨れ上がる虚像、加速するメンヘラ。さあ、道化芝居を始めよう!
作者:曖昧
小説ページ:ハルジオン~口だけ野郎一代記~
勘違い系小説の最高傑作。いやサムライトリップイノグランドとか無欲の聖女とかも面白いですけど、転生系だしな・・・。
主人公は内面はただのクズなんですが、外面だけは滅茶苦茶良くて、かっこつけで色々やってる内にドンドン勘違いされていって、しまいにゃ世界規模、もっと大きな規模で勘違いされちゃう話です。
勘違い系の王道ストーリーといえばそうなんですけど、一つの嘘から加速的に事態が悪くなっていって、それもなんやかんや解決したと思ったら更に悪くなっていく展開が面白いです。
決める所は(クズなりに)きっちり決めるし、読んでて笑えるそんな作品です。
・勇者、或いは化物と呼ばれた少女
私が勇者だから。

あらすじ:
むかしむかし、あるところに平和に暮らしていた少女がいました。
ところが、突如として世界は闇につつまれ、血に飢えた魔物達が現れたのです。
女神様の神託に選ばれた少女は、人々を救うために勇者になりました。
勇者は頑張って魔王と魔物達をやっつけました。
平和になった世界で、勇者はいつまでも幸せに暮らしました。
おしまい。
作者:七沢またり
小説ページ:勇者、或いは化物と呼ばれた少女
七沢またりと言えば死神を食べた少女が有名ですが、個人的には勇者の方が好きなので、こちらを紹介させてもらいます。
ドラクエ3の二次創作が元ということで、多少他の戦記ものよりは読みやすいかな?とも思います。
さて、この作品では自称記憶消失の自称勇者がダンジョンに潜っているわけですが、この世界に魔王はいません。平和になった世界で、勇者は何故生きるのか、存在しているのか?
魔物を殺す。
それだけを存在意義として、日々ダンジョンに潜る勇者。仲間に騙され、浅ましい人間達と接して、破滅的でありながら、ただ魔物を殺していく。その先には何があるのか・・・?
描写はもう言うまでもなく丁寧なんですけど、やっぱり登場人物が魅力的。特に主人公はまたり節と言いますか、破滅的でどこか不安定、それでいて魅力ある女の子です。
書籍化していて、書籍版はwebとはがらりと話が変わっているようなのですが、残念ながら僕が書籍版を読めていないのでそちらとの差異は説明出来ません。気になる方は実際に読んでねってことだ!
まとめ
というわけで、七作品紹介させて頂きました。如何だったでしょうか。
勿論これ以外にもまだまだ面白い作品は山ほどありますので、また機会があれば紹介させて頂きます。
また僕自身まだまだいろんな面白い作品を知りたいので、「これが面白いよ」などありましたら、Twitterやコメントで教えて貰えたら幸いです。
それでは、ご覧頂きありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう。
ゲーマー兼WEB小説読みです。
ポケモンと小説家になろう、たまにライフハック記事など上げます。
好きな言葉は「為せば成る」
7世代最高レートは総合7612(1位) シングル2105 WCS2028
インスタント・メサイア読みました。まず、この小説をオススメして頂き有難う御座いました。けれども、まさか2があるとは…1が完結していても2も表記しておいて欲しかったです。未完結のまま1年も放置されてるのを読ませられたのは恨むよ泣